小野薬師堂(白河市)概要: 小野薬師堂は白河市の郊外の奥州街道の旧小田川宿入口付近に位置し、創建は大同年間(806〜810)と伝わる古社で宝積院(福島県白河市小田川行屋久保:真言宗豊山派・結城宗広の菩提寺)の末寺、医王山成就院白山寺の本尊でした。伝説によると「 小野小町は故郷である秋田に帰郷する際小田川付近で病にかかり床に伏せてしまいます。そこで小町は薬師如来に病が治るよう"南無薬師 かけし諸願の根も切れば 身より薬師の名こそ惜しけれ"と詠い祈願したところ薬師如来が夢枕に立ち"村雨の 雨は一時のかりの宿 みのかさなれば ぬぎすててゆけ"と応えました。小町が目を覚ますと病がすっかり平癒し無事秋田へ帰郷することが出来ました。」とあります。この伝説により古くから信仰の対象となり奥州街道の往来時には道中祈願として多くの人達が参拝したそうです。白山寺は明治初頭に発令された神仏分離令により廃寺となり、残った建物(後再建)を薬師堂としました。薬師堂は入母屋、鉄板葺、平入、桁行3間、正面1間向拝付、正面、花頭窓付。境内には戊辰戦争の犠牲者を弔う為の「戊辰戦死供養塔」や二十三夜塔、庚申塔等、多くの石仏や石塔が建立されています。
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